外壁のアスベストの見分け方は?使用された年代や種類、調査が必要なタイミングを解説

アスベストは耐久性に優れるため、多くの外壁材に使用されていました。しかし現在では健康被害のリスクが明らかになっており、リフォームや解体の際には調査が義務付けられています。

本記事では、外壁のアスベストの見分け方や、使用された年代、種類、調査のタイミングなどについて、詳しく解説します。

【この記事で分かること】
・外壁にアスベストが使われていた年代
・実際に外壁に使われていたアスベストの種類・見分け方
・アスベスト調査が必要なタイミング・除去方法

目次

外壁にアスベストが使われた年代・理由

外壁にアスベストが使用されていたのは、主に1950年代から2004年頃です。

なかでも、高度経済成長期にあたる1970年代は、都市部を中心に建築ラッシュが続き、その後も1990年代にかけてアスベストを含む外壁材が多く使われました。

アスベストが広く普及した理由として、耐火性や断熱性・耐久性に優れているうえ、安価で加工も容易という、建材としての機能性の高さが挙げられます。

そのため、窯業系サイディングやセメント板などのセメント系建材において、強度を高める「補強材」として、多くの製品に使用されてきました。

しかし、アスベストによる健康被害が社会問題化したことで、段階的に規制が始まります。

具体的には、1975年に含有率5%を超える建材の吹き付け作業が原則禁止され、1995年には有毒性の高いアモサイト・クロシドライト等が禁止されました。

さらに、2004年には1%以上のアスベストを含むとされる建材10品目の製造・使用の禁止。2006年9月1日以降は、含有率0.1%を超えるすべての建材(外壁材を含む)の使用が全面的に禁止されています。

外壁のアスベストの危険性

アスベスト含有建材は、粉じんの飛び散りやすさを示す「発じん性」に基づき、レベル1〜3に分類されます。なかでも外壁に使用される成形板や塗材の多くは、最も発じん性が低い「レベル3」に該当します

レベル3は、通常の状態では飛散リスクは低いものの、経年劣化や解体・改修工事で部材を破砕する際は、適切な飛散防止対策が必要です。

アスベストレベル3の建材については、以下の記事で詳しく解説しています。

アスベスト含有の可能性がある外壁材

アスベストが含まれている可能性が高い代表的な外壁材は、次のとおりです。

  • 窯業系サイディング(セメント板)による外壁
  • 押出成形セメント板(ECP)の外壁
  • モルタルの外壁・塗装

それぞれの特徴について解説します。

窯業系サイディング(セメント板)による外壁

窯業系サイディング(セメント板)のなかには、かつてアスベストを原材料として使用していた製品が存在します。ある住宅用外壁材では、過去に白石綿(クリソタイル)を4〜5%ほど含む製品が流通していました。

ただし、アスベストを含まないセメント板も多いため、外観のみで含有を判別するのは難しいでしょう。

押出成形セメント板(ECP)の外壁

押出成形セメント板(ECP)も、外壁材として多用されてきた成形板であり、アスベスト含有建材のリストに含まれています。この板材は、外壁に用いられる中実または中空のパネルで、表面が比較的平滑な点が特徴です。

モルタルの外壁・塗装

モルタルにアスベストが使用されていた事例も報告されています。1960年代以降、ひび割れ防止や作業性向上のための「モルタル混和材」として、外壁に使用されました

モルタルのリスクや確認手順について詳しく知りたい方は、こちらの記事もあわせてご覧ください。

外壁のアスベストの見分け方

アスベストはさまざまな材料に混ぜ込まれており、一般的な建材と外観がほとんど変わりません。外壁に使われているアスベストを正確に見分けるには、以下の3つの方法を組み合わせることが重要です。

  • 築年数(建築年代)からの推測
  • 設計図書・仕様書などの書面調査
  • 専門業者による事前調査・分析

それぞれ見ていきましょう。

築年数から推測する

日本ではアスベスト規制が段階的に強化され、2006年9月1日に含有率0.1%を超えるアスベスト製品の使用が全面的に禁止されました。

したがって、2006年9月1日より前に着工された建物には、アスベストが使用されている可能性があると考えられます

ただし、過去の改修時に外壁材が張り替えられていたり、規制直後に在庫品が施工に使われていたりする場合もあります。

築年数だけで「アスベストなし」と断定することはできません。

設計図書・仕様書などで確認する

「設計図書」「竣工図」「仕様書」が手元に保管されていれば、それらの記載内容からアスベストの有無を調べられます。

これらの書類には、外壁に使用された建材名・メーカー名・型番などが明記されているため、含有建材かどうかを絞り込むための重要な手掛かりとなります。

建材名や型番が判明したら、国土交通省が公開しているデータベースと照らし合わせることで、アスベスト含有品であるかを判定可能です

ただし、設計変更や書類の紛失といったケースも多いため、その場合はほかの方法で見分けます。

専門業者に調査を依頼する

アスベストの有無を確実に判断したいのであれば、専門業者への調査が不可欠です

また、2023年10月以降は、原則としてすべての建物の解体や改修工事において、「建築物石綿含有建材調査者」による事前調査が義務化されています。

アスベストの調査なら、ぜひ「アスベストジャッジ」にお任せください。経験豊富な有資格者が、現地での外壁調査からサンプルの分析、報告書の作成まで迅速に対応いたします。

アスベストのさらに詳しい見分け方については、以下の記事でも解説しています。

外壁のアスベスト調査が必要なタイミング

2021年4月より、建築物の解体・改修工事における「アスベスト事前調査」が法律で義務化されました。

現在、外壁リフォームや塗装、解体などを行う際は、専門資格を持つ「建築物石綿含有建材調査者」による調査が必須です。元請業者はその結果を自治体へ報告する義務があり、適切な手順を踏まない工事は施工できません。

ここでは、調査が必要なタイミングについて、詳細に解説します。

外壁塗装を行うとき

外壁塗装の工程には、旧塗膜を除去するケレン作業や高圧洗浄、研磨が含まれます。アスベストを含有する外壁材に対してこれらの作業を行うと、微細な繊維が周囲に飛散するリスクが生じます。

そのため、塗装を開始する前の段階で、築年数や設計図書から含有の有無を特定し、必要に応じて分析調査を依頼しなければなりません

外壁を張り替えるとき

外壁の張り替えは既存材の撤去や切断を伴うため、アスベストの飛散リスクが高い作業です。特に、サイディング外壁は過去にアスベストが使用された製品が多いため、張り替えや部分交換の際も事前調査が必要です。

建築物を解体するとき

建築物の解体工事は、アスベストが飛散するリスクが最も高い工程です。そのため、大気汚染防止法および石綿障害予防規則の改正により、現在はすべての建築物・工作物の解体工事において、着工前の事前調査が義務付けられています

また、床面積80㎡以上の解体工事や請負金額100万円以上の建築物の改修工事、工作物の解体・改修工事に該当する場合は、調査結果を電子システムで報告する必要があります。

外壁を補修するとき

外壁の部分的な補修であっても、外壁を削ったり、切断したりする場合は、事前調査が必要です。

特にモルタル外壁は、仕上塗材や下地調整材にアスベストが含まれているケースが少なくありません。たとえ小規模な補修であっても、工法によって粉じんが舞うおそれがある場合は、着工前にアスベストの有無を明確にする必要があります。

研磨や高圧洗浄を行うとき

外壁表面の研磨や高圧洗浄は、アスベストが飛散しやすい工程の一つです。アスベストが含まれる可能性のある旧塗膜や仕上塗材をこすることで、目に見えない微細な粉じんが発生します。

研磨や洗浄のみを行うメンテナンスであっても、事前に専門家へ調査を依頼しましょう

外壁にアスベストが見つかった場合の対処方法

外壁にアスベストが含まれていると判明した際は、直ちに専門業者へ相談してください

外壁を剥がしたり削ったりすると、目に見えない微細なアスベスト繊維が周囲に飛散し、健康被害を引き起こすおそれがあります。

アスベスト外壁の工事方法として、以下の3種類が挙げられます。

・除去工事
アスベストを含む外壁材をすべて撤去し、新しい外壁材に交換する方法です。
将来的な解体費用の抑制につながりますが、工事費用は高くなる傾向にあります。
撤去した建材は、法令に基づいた適切な処理が必要です。

・封じ込め工事
既存の外壁表面に特殊な薬剤やコーティング材を塗布し、アスベスト繊維を固定して飛散を防ぐ方法です。
建材の劣化が少ない場合に有効で、工期を短縮できます。

・囲い込み工事
既存のアスベスト外壁の上から、新しい外壁材を重ね張りして遮断する方法です。
アスベストを密封して飛散を防ぎつつ、外観をリフレッシュできます。

まずは現状を正しく把握するためにも、アスベスト調査の専門家に診断を依頼しましょう。

外壁のアスベストに関するよくある質問

ここでは外壁のアスベストの安全性や除去にかかる費用、見分け方といったよくある質問とその回答を解説します。

外壁にアスベストが含まれたまま住んでも大丈夫?

外壁にアスベストが含まれている家に住み続けても、日常生活において直ちに健康被害が発生する可能性は低いとされています

外壁材に含まれるアスベストは、飛散性が最も低い「レベル3」に分類され、セメントなどで硬く固められているため、通常の状態では繊維が飛散しにくいからです。

ただし、経年劣化や破損、リフォーム時の穴あけ、高圧洗浄などを行う際は、繊維が舞い散るリスクがあります。工事や改修前には専門業者による調査と適切な処置を行いましょう。

外壁のアスベストの除去費用は?

除去費用は、レベル3の成形板の除去であれば、通常2,500円〜数万円/㎡程度です。建材の種類や施工面積、足場の有無、飛散防止措置の範囲によって大きく変動します。 

また、建築物の規模や立地によっても変わります。正確な金額を把握するには、専門業者による現地調査と見積もりを依頼しましょう。

家の外壁にアスベストが入っているかどうかの見分け方は?

目視だけで正確な判断は難しいですが、以下の情報を組み合わせることで、含有の可能性を推測できます。

  • 築年数の確認(2006年9月1日以前の建物かどうか)
  • 設計図書・仕様書・建材型番の確認
  • 建築物石綿含有建材調査者による事前調査を依頼
  • 必要であれば分析調査を依頼

まずは築年数を確認し、設計図書と照合しましょう。確実な判断が必要な場合は、専門家による事前調査や分析を依頼してください。

まとめ

外壁のアスベストは建物の建築年代や設計図書、外壁材の種類から、ある程度推測できます。しかし、正確に判定することは難しく、確実に判断するには分析調査が必要です。

さらに、一定規模以上の建物の解体や改修工事を行う前には、「建築物石綿含有建材調査者」による事前調査が法令で義務付けられています。

無資格者による判断は法的リスクや健康被害を招く可能性があるため、専門家が在籍する業者に分析を依頼しましょう。

「アスベストジャッジ」では、経験豊富な調査者が迅速かつ正確に調査を行い、安全な施工をサポートします。1検体あたり12,000円+税で対応可能で、調査に必要なキットもこちらでご用意いたします。

通常は3営業日で調査可能ですが、即日(1営業日)での対応もできます。こちらは1検体あたり19,800円+税となります。まずはお気軽にご相談ください。

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