アスベストの事前調査対象になる工事とは?結果の報告が必要なケースも解説

アスベスト調査は、基本的にすべての建物や工作物の解体・改修・補修工事で必要です。さらに一定規模以上の場合は結果報告も求められます。

違反をすると法的な処分を受ける可能性があるため、具体的にどのような工事が調査対象に含まれるのか事前に確認しておきましょう。

今回は、アスベスト調査の対象や報告が必要なケースについて解説します。アスベスト調査がどんなケースで必要になるのか基準を確認したい方は、参考にしてみてください。

【この記事で分かること】
・アスベスト事前調査の対象工事
・アスベスト事前調査の報告対象
・アスベスト事前調査の対象に関するよくある質問

目次

アスベスト事前調査の対象工事

アスベスト事前調査は、基本的にすべての建築物や工作物の解体・改修・補修が対象となります。このルールは2021年4月に改正大気汚染防止法が施行によって義務化されました。

ただし、アスベストが確実に含有されていないとわかる場合は、事前調査が不要となります。例えば、すでに調査済みの建物や、アスベストが含まれる製品や建材の製造・輸入・譲渡・提供・使用が禁止された2006年9月1日以降の建築物は調査の必要がありません。

アスベスト事前調査の報告対象

引用:石綿の有無の事前調査結果の報告が施工業者(元請事業者)|厚生労働省

前述のとおり、アスベストの事前調査は基本的にすべての建物が対象です。それに加えて、一定規模以上の建築物や工作物の解体・改修・補修する場合は、事前調査の結果を報告することも義務付けられています

上の表のように解体工事は床面積、改修工事は合計金額で報告が必要かどうかの判断をします。ここからは、調査結果の報告が必要なケースについての詳細を確認していきましょう。

床面積の合計80㎡以上の解体工事

解体工事の場合は床面積で報告の要・不要を判断します。合計80㎡以上の場合は対象となります。床面積だけで判断するため、請負金額は関係ありません。

複数の棟に分かれている場合、延床面積で判断します。また、建物の所有者が自主解体をするケースにおいても、条件を満たせば報告の対象です。

建物の種類は、ビルだけでなくマンションや一般住宅でも報告が必要となります。なお、倉庫の場合は床面積が合計100㎡以上のものが事前調査の報告対象です。

請負代金の合計額が100万円以上の建築物の改修工事

改修工事の場合、請負金額が税込100万円以上の建築物が対象です。建築物の改修工事とは、建物のリフォーム、修繕、各種設備工事など解体工事以外の全般をさします。改修工事を自主施工する場合でも、請負金額が税込100万円以上になれば報告が必要です。

また、改修工事が複数階にわかれているケースでは、同一業者に依頼し合計が税込100万円以上であれば対象となります。例えば、1階50万円・2階60万円で計110万円となる改修工事の場合は報告の対象です。

請負代金の合計額が100万円以上の特定の工作物の解体・改修工事

特定の工作物に対する解体・改修工事は、請負金額の合計が100万円以上の場合に報告が必要となります。定期改修や法令に基づく開放検査などを行う際に、補修や部品交換をする場合も対象です。

厚生労働省によると、特定の工作物とは具体的に以下のものをさします。

  • 反応槽、加熱炉、ボイラー、圧力容器、煙突(建築物に設ける排煙設備などの建築設備を除く)
  • 配管設備(建築物に設ける給水・排水・換気・暖房・冷房・排煙設備などの建築設備を除く)
  • 焼却設備、貯蔵設備(穀物を貯蔵するための設備を除く)
  • 発電設備(太陽光発電設備・風力発電設備を除く)、変電設備、配電設備、送電設備(ケーブルを含む)
  • トンネルの天井板、遮音壁、軽量盛土保護パネル
  • プラットホームの上屋、鉄道の駅の地下式構造部分の壁・天井板

アスベスト事前調査の対象に関するよくある質問

最後にアスベストの事前調査の対象に関するよくある質問をまとめました。

事前調査をしないとどうなる?

アスベストの事前調査は法律で義務付けられているため、違反すると法的な処分を受けることになります

事前調査の報告を怠った場合や虚偽の報告をした場合、大気汚染防止法に基づいて罰則が与えられ、30万円以下の罰金が科せられます。また、除去作業や調査において措置義務違反があった場合、懲役3ヶ月以下または30万円以下の罰金が科せられます。

事前調査を怠る30万円以下の罰金
虚偽の報告をする30万円以下の罰金
除去・調査における義務違反をする懲役3ヶ月以下または30万円以下の罰金

新しい建物は調査対象にならない?

2006年9月1日より、アスベストが含まれる製品の製造・輸入・譲渡・提供・使用が禁止されているため、それ以降の建築物は基本的に調査が不要です。

ただし、調査結果の報告対象となる場合は、建築の日付を確認した旨の報告が必要です。また、事前調査の記録は3年間保管する義務があるため、2006年9月1日以降に建てられた建物であっても着工日確認の記録・保管をしなければなりません。

まとめ

アスベストの事前調査は基本的にすべての建物や工作物で必要です。さらに一定規模以上の解体・改修・補修をする場合は、事前調査の結果報告も実施しなければなりません。

事前調査をしないと罰則が科せられるため、結果報告の要・不要も含めて調査対象について正しく確認しましょう。

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