アスベスト調査の費用は、調査の種類によって異なるものの、1調査あたり2~5万円が目安です。ただし、追加調査の有無や調査する建物の規模によっても大きく変わります。
詳細な費用感を知りたいのなら、それぞれの調査にどれぐらいの金額が掛かるのかチェックしておきましょう。
この記事では、アスベスト調査費用を調査の種類・規模別に紹介します。費用を抑える方法やよくある質問も解説しているので、これからアスベスト調査を実施する方は参考にしてみてください。
【この記事で分かること】
・アスベスト調査費用の目安
・建物の規模ごとの調査費用
・アスベスト調査の費用を抑える方法
アスベスト調査の調査費用
アスベスト調査には以下の3種類があり、費用の目安は1調査あたりおよそ2~5万円です。
調査名 | 費用相場 |
---|---|
書面調査 | 2~3万円(1調査あたり) |
目視調査 | 2~5万円(1調査あたり) |
分析調査 | 3~5万円(1検体あたり) |
各調査について詳しく紹介していきます。
書面調査の費用
書面調査の費用は2~3万円です。調査対象の規模や調査会社によって金額は変わります。
書面調査は、実際に現地を確認する前段階に行われる調査で、設計図や改修図面、工事関係者や施設管理者からのヒアリングにより調査対象の情報を入手します。
書面調査の目的は、アスベストが含まれている可能性の有無の目安をつけることです。事前の情報収集により、次に行う目視調査を効率的・効果的に実施できます。
目視調査の費用
目視調査の費用は2~5万円です。こちらも調査対象の規模や調査会社によって金額が変わります。
目視調査は、書面調査でアスベスト含有の可能性がきわめて低いと判断されたとしても、必ず実施します。図面に残されていない施行や改修が施されていないか確認するためです。
アスベストの調査費用は書面調査と目視調査の両方が行われるため、支払う費用も両方必要になり、最高10万円程度かかります。
外壁や内装の下地の内側に使用されている材料は直接見なければわからないため、現地に訪れて図面と照らし合わせ確認します。
分析調査の費用
分析調査の費用は3~5万円です。費用は検体数や納期により変わり、検体数が多く短納期だと費用が高くなる傾向にあります。
分析調査には定性分析と定量分析があり、それぞれの違いは以下のとおりです。
分析調査 | 内容 |
---|---|
定性分析 | 定性分析は提出されたサンプルにアスベストが入っているかどうかをチェックする |
定量分析 | 定量分析はサンプルに含まれるアスベストの量をチェックする 定性分析でアスベストが含まれると判断されたのちに行う |
定性分析でアスベストの含有が否定されれば、定量分析は必要ないため、支払う費用は少なくなります。
アスベストジャッジでは1検体あたり14,000円+税で調査いたします。
詳しくは以下のページをご覧ください。
その他の費用
アスベスト調査は、上記の調査費用以外にも追加費用が発生するケースがあります。追加作業別の費用目安は以下のとおりです。
項目 | 金額の目安 |
---|---|
緊急の調査 | 各調査費用に20~50%程度の割増 |
報告書の作成 | 1,000~2,000円程度 |
作業員の交通費 | 片道 100円/km × 調査回数分 |
緊急性が高く、急いでアスベスト調査を依頼する場合は、書面調査・現地調査費用に最大50%程度の費用割増が必要となるケースもあります。
アスベストの調査を行った際は、報告書の提出が義務付けられているため、作成費は必ず発生します。業者によって報告書作成費用が基本料金に含まれている場合と別途請求される場合があるため、依頼時に確認しましょう。
作業員の交通費は近しいエリアであれば無料となるケースもありますが、遠距離の調査会社に依頼する際は1~3万円程度の交通費を請求される可能性があります。
そのため、現地調査はできるだけ近距離の調査会社に依頼すると費用を抑えられます。
アスベスト調査費用は建物の規模でも変化する
調査対象 | 費用相場 |
---|---|
部屋の一室や建物の一部 | 10万円程度 |
一戸建てやマンション | 20~50万円程度 |
商業ビルや学校 | 50~100万円程度 |
アスベスト調査費用は建物の規模でも変わります。基本的に建物の規模が大きくなるほど調査面積や検体数が増えて高額になりやすいです。
部屋の一室や建物の一部(小規模)
部屋の一室や建物の一部だけといった小規模なアスベスト調査であれば、費用は10万円程度です。これには、書面調査・目視調査・分析調査の金額が含まれています。
小規模な調査であれば、調査範囲が狭く、サンプルの採取件数が少なくアスベストが使用されている箇所の見当がつきやすいため、比較的費用も安いです。
ただし、小規模であっても複雑な構造をしていれば目安で紹介した金額よりも高くなる可能性があります。
一戸建てやマンション(中規模)
一戸建てやマンション、中規模オフィスビル全体のアスベスト調査の場合は、20~50万円程度かかります。
リフォーム時や物件の解体時には、中規模のアスベスト調査が必要です。小規模調査に比べ、書面調査や目視調査、サンプルの採取箇所も増えるため、調査費用は2倍以上必要です。
商業ビルや学校(大規模)
商業ビルや学校・病院などの大規模調査では50万円から100万円程度かかります。
建物の大きさや構造が複雑になるほど、採取する件数が増えたり調査に時間がかかったりするため、費用が高くなります。建物の大きさや構造によっては数百万円必要なケースもあるでしょう。
アスベスト調査の費用を抑える方法
アスベスト調査の費用を抑える方法は3種類あります。
- 補助金や助成金を利用する
- 自社でサンプルの採取を行う
- 信頼できる業者に依頼する
それぞれ詳しく紹介していきます。
補助金や助成金を利用する
アスベストの調査には厚生労働省が補助金を用意しており、利用することで最大25万円/棟の調査費用の支援が受けられます。
補助対象となるのは、主に以下の2種類のアスベストです。
- 吹付アスベスト
- アスベスト含有吹付ロックウール
※外壁や屋根材、石膏ボードビニル床シートなどのアスベスト調査は対象外です。
また、これまでは「レベル1」に該当する吹付材のみを対象としていた自治体が多かったものの、令和7年度(2025年4月)からは、レベル3を含むすべての建材を対象とする動きが出てきています。
補助金を受けるには、各地方公共団体への申請が必要ですが、自治体によっては調査前に相談で申請自体を受け付けていないケースもあります。
利用を検討しているならあらかじめ地方公共団体のホームページを確認するか、直接問い合わせてみましょう。
自社でサンプルの採取を行う
アスベスト調査のサンプル採取を調査会社に依頼すると、目視調査費用や交通費が必要になり費用が高くなります。一方、自社でサンプルの採取を行い、分析調査のみ依頼すれば、支払う金額を抑えられます。
ただし、自社でサンプル採取を行うためには、「建築物石綿含有建材調査者」や「石綿調査診断士」の資格が必要です。そのため、担当者が資格を取得しなくてはなりません。
資格取得には数万円程度かかり、2~3日間の講習を受ける必要があるため、調査規模に応じて自社でサンプル採取するかを検討しましょう。
信頼できる業者に依頼する
アスベスト調査の費用を抑えるには、現場の状況に応じた調査方法を柔軟に提案してくれる業者を選ぶことが重要です。さらに、解体工事とあわせて一括で対応できる業者であれば、工程の重複を避け、コスト削減にもつながります。
アスベストジャッジは解体業の現場経験を持ち、調査から分析、報告書作成、さらには除去・封じ込めまでを一貫して対応します。
現地調査にも対応し、不要な工程や無駄な出費を省いた、現場目線の提案が可能です。アスベスト調査のご依頼はぜひアスベストジャッジにお任せください。
アスベスト調査費用に関するよくある質問
ここからは、アスベスト調査費用に関するよくある質問を、それぞれの回答とあわせて紹介します。
調査費用は誰がいつどの段階で払う?
調査費用を支払うのは、一般的に建物の所有者です。
しかし、公共施設の場合は、施設の管理者ではなく行政や公共機関が支払うケースもあります。さらに賃貸物件であれば契約内容によってオーナーではなく賃貸人が費用を負担する場合もあるでしょう。
調査費用の支払いタイミングは調査会社との取り決めでタイミングが変わります。費用を一括で支払うケースよりも複数回にわけて請求されることが多いです。
その場合は、契約時に一時金を支払い、調査完了時に残額の支払いを一括で行います。検体を自社で採取した場合は、検体を送付して受領されたあとに請求書が届き、支払いが確認されると分析調査が行われます。
アスベストのレベルで調査費用は変わる?
調査の工程はアスベストレベルに関係なくあまり変わらないため、費用は基本的に変わりません。分析調査のようにアスベストレベルに関係なく調査費用が一律で定められているケースも多いです。
ただし、その後の撤去工事費用はアスベストレベルによって下記のように異なります。
アスベストレベル | 費用目安 |
---|---|
レベル1 | 1.5~8万円/m |
レベル2 | 1~6万円/m |
レベル3 | 0.3万円/m |
特に飛散するリスクが高いレベル1は、作業場所の隔離や防塵マスク、保護衣が必要なため、撤去費用が高額になります。
レベル2はレベル1ほどの飛散リスクはありませんが、高いレベルでの曝露対策が必要です。
レベル3は飛散リスクが低く、厳重な飛散対策が必要ない分、撤去費用を安く抑えられます。
まとめ
アスベストの調査費用は調査内容や規模により変わります。規模が小さければ費用も安いですが、大規模になると数百万円かかる可能性があります。
できるだけ負担を抑えるためには、自分たちで資格を取りサンプル採取するか補助金・助成金の利用を検討しましょう。
また、調査会社のなかには、依頼元が不慣れであることにつけ込み、相場よりも高額な調査費用を請求する場合があります。そのため、信頼できる業者を選定して依頼することが重要です。
アスベストジャッジでは、1検体14,000円+税と、業界のなかでもリーズナブルな価格でご提供しております。
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